オール電化の暖房システムとして温水パネルヒーターが登場してから、もうずいぶん経ちますが、はじめてオール電化の低温水暖房のプレゼンをエナーテックさんから受けたときの衝撃は、今でもはっきり覚えています。
当時、オール電化の暖房システムというと蓄熱式電気暖房器しかありませんでしたが、灯油熱源の不凍液による温水パネルヒーターの暖房の質のすばらしさを知っている者にとっては、蓄熱ヒーターによる暖房熱は少しシャープさが強く感じられたものです。
また、温水パネルヒーターの暖房の質はきわめてマイルドな感じで、設置スペース的に邪魔に感じるものでないなど、暖房設備としてはほぼ理想的なシステムといって良いものでしたが、オール電化の暖房設備には組み込めないのが、とても残念にも思っていたのです。
現在では、オール電化での温水パネルヒーターの暖房システムは、電気温水器のお湯を熱源とする方法と、ヒートポンプ給湯器(エコヌクールなど)で作ったお湯を熱源にする方法に大きく分かれます。
電気温水器のお湯を使う前者は蓄熱型の温水パネル暖房で、ヒートポンプ給湯器のお湯を使う後者はヒートポンプ型の温水パネル暖房となります。
蓄熱式の温水パネル暖房は、冒頭でも触れましたが、エナーテック株式会社の「ウェルエコシステム」という暖房システムになります。
このシステムのいちばんの特徴は、電気温水器のサイズにあります。
ウェルエコシステムでは、一台の温水器で暖房と給湯の両方を賄いますので通常電機メーカーで販売されている電気温水器よりも大型になります。
いちばん良く使われているEB-27という2700リットルのもので、外形寸法(W×H×D)が、2,130.0×2,122.4×860という大きさですから、畳一畳分の広さで高さが2メートル少々というイメージです。
この温水器は基本的に屋外設置でOKです。
ただし寒冷地では、最低でも車庫のような屋根がある空間に設置するか、理想的には住宅に併設した断熱空間に専用スペースが計画することが望まれます。
ヒートポンプ型の温水パネル暖房ですが、CO2冷媒のエコキュートはこのシステムには不向きですので、使われているのはR410Aを冷媒に仕様しているヒートポンプ温水器、三菱のエコヌクールです。
床暖房などに使える温水がつくれるヒートポンプ温水器には、エコヌクール以外にも、ダイキンや長府製作所にあるのですが、密閉型の配管方式が組めてパネルヒーターに使用出来るのはエコヌクールだけです。
エコヌクールでつくる温水温度は最高で55℃となり、床暖房としては十分な温度になりますがパネルヒーティングとして使う場合はやや低めです。
ヒートポンプ型の温水パネル暖房を採用する場合は、断熱性能・気密性能を十分高めておく必要があります。
この点は業者としっかり打ち合わせをして計画を進めてください。
なお、エコノクールでつくるパネルヒーティング用のお湯はあくまで暖房用に使用するお湯ですから、給湯・飲料用のお湯は別のエコノクールやエコキュートで用意しなければなりません。 どちらの方法もイニシャルコストはそこそこかかりますが、ウェルエコシステムのほうは5時間通電を利用することで、エコノクールのほうはCOP(消費電力あたりに加熱する能力)の高さから、ランニングコストは非常に軽減されます。
特に高性能な住宅とエコノクールの温水パネルシステムの組み合わせは、暖房の質、ランニングコスト、化石燃料による電力への依存度の少なさなどの点で非常に優れたオール電化暖房方式と言えるでしょう。
床下暖房によるオール電化暖房|住宅の性能が問われる温水パネルヒーター|オール電化の床暖房とは