蓄熱式電気暖房器はオール電化住宅の暖房設備として、長い間主役の座に君臨してきた暖房設備です。
オルスバーグやスティーベルといったエコ住宅の先進国ドイツのメーカーで誕生した蓄熱式電気暖房器は、その歴史も30年と古く、オール電化住宅が誕生する前から存在していた暖房設備です。
地域によって呼び方は違うかもしれませんが、大抵は「畜暖」と略して呼ばれることが多いです。
畜暖は見た目もどことなく、懐かしさを感じさせるところがあり、大きくて邪魔な感じがしないでもありませんが、暖房能力や安全性でも信頼出来る暖房機器です。
国産メーカーでは白山製作所の商品がいちばん普及していて、電力会社を通して蓄熱式電気暖房器を採用すると、大抵が白山か北日本電線の暖房器が提案されます。
蓄熱式電気暖房器の仕組みは非常にシンプルで、夜間の安い電気を使って畜暖のなかに積まれているレンガに蓄熱させ、その蓄熱したレンガからの放熱が暖房の熱源となります。
オール電化の全室暖房システムは全て輻射熱暖房となります。
もちろんの蓄熱式電気暖房器も輻射熱暖房で、畜暖から放熱される熱が、暖房器周辺の空気を温めていき、その空気が住宅の壁・床・天井といった部位を温めていき、フローリングや壁・天井の下地材の石膏ボードが蓄熱されていき、最終的に住宅の室内側に使われている材料が18℃前後の熱を持つようになります。
ここまで、住宅が温められると、換気やドアの開閉などで冷気が室内に浸入しても、部屋の温度が簡単に下がるようなことはありません。
換気設備に熱交換システムを採用していなくても問題がないのはそのためです。
ただし、輻射熱暖房の効果を発揮されるには、断熱性能と気密性能がしっかりしていなければなりません。
オール電化住宅にするなら住宅の性能を見直しましょうと言うのは、そのためなのです。
もちろん調理コンロと給湯だけを電化して、暖房はエアコンでというシステムもアリです。
ただしエアコンなどの放射性の熱では、蓄熱式電気暖房器のような輻射熱暖房のマイルドな暖かさは得られないはずです。
つまり暖かさの質が違うということです。
そんな蓄熱式電気暖房器ですが、ユーザーからはどうしてもスペースをとってしまうということから、最近ではやや敬遠される傾向があります。
そんな蓄熱式電気暖房器に代わって人気がでたのが床下暖房です。
床下暖房は、暖房設備が床上に出てきませんので、蓄熱式電気暖房器のように、設置スペースを考えて間取りを配慮する必要がありません。
ただし床下暖房を採用した場合は、2階部分の暖房まで、1階部分の床下暖房の熱だけで賄うことは出来ません。
そこで1階部分以外の暖房には蓄熱式電気暖房器が使われることが多いのです。
たとえばヒートポンプ型の床暖房の場合でも、1階部分を暖めることが出来ますが、上階の暖房が不足する場合は、やはり蓄熱式電気暖房器が補助暖房として採用されることが多いのです。
オール電化システムがどんなに進んでいったとしても、蓄熱式電気暖房器は補助暖房としても活躍できるため、その需要がなくなることはないでしょう。
オール電化工事 暖房機器の選択|蓄熱式電気暖房機について考察する|床下暖房によるオール電化暖房